ひと目でも会えればなんて呟いて
触れられないその人に出逢えたとて
増幅する哀しみが涙の海をつくる
幻だなんて承知の上と
嘲笑う現実に背を向けては
空(くう)に話しかける
声が聞こえた 姿が見えた
それだけで それだけでいいはずなのに
ひとつ叶えばまたひとつ
欲張りな魂は手を伸ばして傷付いてく
連れて行ってと手を差し伸べても
悲しそうに首を横に振るその人は
涙の海にも溺れずに其処に佇む
このまま溺れてしまえたのなら
どんなにいいだろうかと
滲んだ視界に姿映す
声が聞こえた 姿が見えた
それだけで それだけでいいはずなのに
ひとつ叶えばまたひとつ
欲張りな魂は手を伸ばして傷付いてく
ある日
声 聞こえなくなった
姿 見えなくなった・・・
声が聞こえた 姿が見えた
それだけで ただそれだけでよかったのに
欲張りな魂が消してしまった
忘却への恐怖 置き去りにして