2016年5月26日木曜日

雨降る夜に見る月

当たり前が当たり前じゃなくなってく
その恐怖と言ったらないよな
僕らの世界は保証されているはずだと
傲慢な陰が声高に叫ぶ

ひとつ疑えばまたひとつ
生き永らえるほど増える疑念
終いにゃ全てが疑わしくて
この身さえも嘘か誠か
目に映るものさえも信じられない
疑惑の螺旋に捕まって

ここから逃げたくて逃げたくて
走り出した昨日すら夢か現か
現実とか虚構とか
それすら見えないどつぼに嵌まって抜け出せない

不確かな意識の中見えるのは
雨降る夜に見る月

2016年5月17日火曜日

タネヲマケ

種を蒔け 種を蒔け
心削って種を蒔け
いつか いつの日か
消えていくまで種を蒔け
咲くかわからぬ種を蒔け

止まらぬ優しさとか
ブレーキのない凶暴とか
背中合わせに綱渡り
果てしないか儚いか
それすらわからぬ夢を見て
目覚めの気怠さに胸を寄せ
踊る光りが反射する

目に映るものは真実と
言ってしまえば嘘っぱち
真実などは藪の中
深く赤黒い藪の中

種を蒔け 種を蒔け
命削って種を蒔け
どちらが先かわからぬが
無駄という名の花咲かせ

2016年5月16日月曜日

闇に出(いずる)

徒然に時色淡く
輝く日々にさよならを
来るかわからぬ明日を想うは
闇に紛れた黒い陰影

乱れぬ息は遠い目をして
我ここにあらずと喚き立て
崩落する精神は脆く浮かび
暗黒の空に消えて逝く

泣き叫ぶ声は
何処へも我を導かず
ただ其処に在るだけ

届くはずもない
内から出ずる闇など・・・

2016年5月11日水曜日

真っ暗闇できっと

真っ暗闇を進む 進む
どこまでも どこまでも
僕はきっと
この先ずっと

キラキラした時代は
どこに行った
どこに消えた
出逢えぬまま消えゆくとわかりながら
どこで捨てた
どこで消えた

闇すらも明るく思えて薄ら笑い
馬鹿みたいな話だ止めどもなく
儚いとか少し美しげな何かじゃなくて
どうしようもなく黒い黒い中に居るんだ

真っ暗闇を進む 進む
いつまでも どこまでも
僕はずっと
この先きっと

君の世界、僕はいない

にわかに騒ぎ出す木々を
霞め往くさえずり
揺ら揺らときらめく色が
瞳(め)に入(い)るときにはもう遅いの

過ぎてく影を見ながら憂うのは
君か 僕か
時に虹を架け
ワープでもできたら間に合うのかな

止まらない日々を
止まらない明日を
掴まえられぬまま僕だけ立ち止まる
この世界に君 残したまま

おしゃべりな風が抜けてくのを
頬で感じながら
ひらひら舞い往く音が
聴こえたときでは手遅れなの

すれ違う匂いに感じる杞憂は
誰のものか
結び目を解(ほど)いて
溶け 流れてたらいいのかな

終わらない日々に
終わらない明日に
辿り着けぬまま彷徨い続ける
君の世界に 僕はいないの

堕ちてく闇に引きづられる
もたつく足では足掻くのままならずに

終わらない日々に
終わらない明日に
辿り着けぬまま彷徨い続ける

止まらない日々を
止まらない明日を
掴まえられぬまま僕だけ立ち止まる
この世界に君 残したまま

君の世界に 僕はいない