2016年8月19日金曜日

笑泣乱舞(しょうるいらんぶ)

ぽつりぽつりと降る雨のように
それはぞれぞれ
ばらばらに存在していて
まじわるものもいれば
そうでないものもいるのね

この魂はきっと
きっとまじわらないものなのでしょう

ひとひら 舞い落ちる夜空
はらはら 舞い狂う薄紅色
洗い流しては
夜風に乗って舞い踊れ

きっとどこか
そっとどこか
なんて
まじわらないまま
笑泣乱舞

2016年8月14日日曜日

涙道

一人とぼとぼ荊道(いばらみち)
駆け抜けては傷だらけ
ボロボロと辿り着くそこは
きっと無彩色の世界

彷徨う腕を掴む人もなく
ただ彷徨い歩くだけ

瞳(め)から涙が溢(こぼ)れても
気に止めるような人もない
何も見えずに転んでも
誰に見られることもない

今日も明日もとぼとぼと
歩く夜毎に涙道

2016年8月11日木曜日

観生

何も出やしないけれど 期待したくなる
次はきっと そうさきっとと 期待したくなる

なぜだか魂は 時折ひどく楽観的で
その楽観に度々ついていけなくなるから
埋まらない溝に溜息落として
きっとこれからも生きてきます

わかっているのにね
だけれども埋められないのはきっと この性(さが)かな
止まらぬ悲観に足をすくわれて転げ落ちそうに
たぶんこれまで生きてきました

理由なく生きるのは恐くて怖くて
おののいては躓いて繰り返して
時々のぞく明るさは眩しくて
とてもじゃないけど ずっとは居られないでしょう

暗さの中に生きていくのだとしても
垣間みえる期待が
きっと生かしていくのでしょう