そこにあるのは尖った刃
捲る度に大きくなる刃は
知らずこの心(み)傷付ける
いつの間に空いた穴は
赤黒い涙貯め
溢れ出さないように
また深くなっていく
愛情を疑う者を
人は薄情者と呼ぶのでしょう
どれだけ傷を抱えているかなぞ
憂慮することもなく
一足一足進めれば
沼にはまっていくように
下へ下へと
少しずつ引き込まれてゆく
いつの間に開いた罅(ひび)は
光る刃を受け入れて
抉るように刺さるそれを
易々と飲み込んでゆく
愛情を疑う者を
人は薄情者と呼ぶのでしょう
どれほど痛みに耐えてきたかなぞ
ついぞ知ることなく
悪意浴び続けた泉に
咲く花は無いというのに
愛情を疑う者を
人は薄情者と呼ぶのでしょう
負った傷癒すことすらままならず
堪え忍ぶ心なぞ知る由もなく
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